「物で溢れた家をスッキリさせたい」「物を持たない身軽な暮らしをしたい」等、ミニマリストを目指す理由は様々だろう。
今回は、私がミニマリストへ至った経緯について、詳しく紹介しようと思う。
マキシマリストがどうしてミニマリストを目指すことになったのか、そのきっかけを知りたい人の参考になれば幸いである。
ゲームソフトコレクター時代(2000年前後)
私は子供の頃からTVゲームが好きで、大人になってからもやめることなくずっとプレイしていた。
子供の頃はお小遣いに限りがあったので、欲しいソフトが何でも買えるという状態ではなかったが、バイトをして自分で収入を得られるようになってからは、欲しいソフトをあれこれ買うようになっていった。
最終的には2週間に1回ぐらいのペースで某電気街に繰り出しては、中古ゲームショップ巡りをしてゲームソフトを買う、という状態だった。
金額にしておよそ2万円ぐらい、本数では10~15本ぐらいを一度に買っていたかな。
だから、月に4万円ぐらいをゲームソフトに費やしていたことになる。
買うのは主に中古ソフトだったし、最新のゲーム機ではなく1世代前のゲーム機のソフトを買っていたから、レアソフトでもない限りは1本当たりの金額はそんなに高くなかったが。
でも、今思えば最新のゲームソフトも少しは買っていたから、もっとお金をかけていたかもしれない。
ふと気づいた2つのこと(2001年頃)
そんなある日、自分が買い集めたゲームソフトを眺めながら、2つのことにふと気が付いた。
1つ目は、買ったゲームソフトは、動作確認程度に起動してタイトル画面までは見てみるものの、ロクにプレイしていないということ。
動作確認した後はそのゲームをプレイするのではなく、PCに向かって次にどのゲームを買おうかと、ネットでの情報収集に明け暮れていた。
ゲームにハマっていたというよりは、「ゲームソフトを収集するゲーム」にハマっていたと言えるかもしれない。
そして2つ目に気づいたのは、いくら買い集めても、満足という状態に到達しないということだ。
最初は、歴史的名作と言われるようなソフトや、評価が高いソフトを主に買っていた。
名作はすべて手に入れたいと考えていたからだ。
しかし、その名作もあらかた買い集めると、次は入手困難なレアソフトを買い始め、さらには評価が80点台のソフトも買う価値があるんじゃないかとか、70点台のソフトもそう悪くないんじゃないかと、どんどん手を広げていった。
ロクにプレイするでもないゲームソフトを、いくら買い集めても満足できずにもっと欲しくなる。
どれだけ手に入れれば満足という状態に到達できるのだろうか、と自分の中で疑問を抱き始めていた。
Simple Life Onlineの発見(2002年頃)
そんな疑問を抱いていた時、ネットでSimple Life Onlineというサイトを発見した。
どうやってそのサイトに行きついたのかは、今となっては覚えていない。
ちなみにこのサイトは現在は消滅している。
Simple Life Onlineでは持ち物を極力少なくして、シンプルな暮らしを実践する素晴らしさが紹介されており、そのほかにもインテリアやファッションの知識やコツ、オススメの書籍等、様々な情報が掲載されていた。
「手に入れることで満足という状態に到達できる」と考えていた私にとって、「手放すことで満足に到達する」という考え方はまさに目から鱗で、衝撃的だった。
Simple Life Onlineの発見以来、同サイト内の記事を夢中で読み漁るようになっていった。
収集したゲームソフトを全処分(2002年頃)
Simple Life Onlineの記事を読み漁るうちに、ふと「これまで集めたゲームソフトをすべて手放したら、一体どんな気分になるのだろうか」という考えが頭をよぎった。
そして、それを試してみたいという衝動に駆られ、ついには実行してみることにした。
高値がつく一部のレアソフトはゲームショップに売った。
残りの数百本のソフトは、店に持っていくのも梱包するのもめんどくさいし、売ったところで大した値段にならないという理由で、捨てることにした。
また、ゲームソフトだけでなく、ゲーム機本体や周辺機器もすべて捨てた。
捨てる前は、「時間とお金をかけて集めたものを手放すと後悔するんじゃないか」という懸念があった。
しかし、実際に手放したときに感じたのは、
「これでもうゲームソフトを集めなくて済む」
というものだった。
どこか解放されたような、安心したような、そんな感情だった。自分でも不思議だった。
この頃は実家で暮らしていたのだが、ゲームソフトを処分した後は、Simple Life Onlineに書かれたインテリア関連の知識を自分なりに試したり、紹介されている書籍を買って読んだりしていた。
一人暮らし開始(2003年頃)
その後、一人暮らしを開始するが、家具を0から準備する必要があったため、Simple Life Onlineを参考に家具を購入し、ライフスタイルもシンプルライフを意識して実践するようにしていた。
当時はミニマリストという言葉もなかったため、私は自分のことを「ミニマム主義者」とカテゴライズしていた。
もちろん、昨今のミニマリストに比べると、所有物の量は断然多かったが。
友人には「生活感がない部屋だな」と言われることもあった。
(次ページに続く)